| 「売れ筋」考--「虚」から「実」へ-- |
|---|
| kononatu@mail.goo.ne.jp(1998.07.04 脱稿) (2000.11.02 メールアドレス変更) |
雑誌や新聞の水着関連記事を読んでいて、しばしば出会う表現に「今年の売れ筋は‥‥」というのがある。多くは、都内の有名/大型ショップの店員の談話なのだが、そこで紹介されている商品を見ていると“これって、ホントに現在、実際に売れている水着なの?”と疑いたくなるものも少なくない。
もちろん、雑誌の場合、取材した内容が掲載されるまでに、それなりの期間がある。しかし、そういったタイムラグによる「誤差」とは思えないものもあるのだ。
また、以前某パソコンショップでこんな現場に偶然居合わせたことがある。それは、そこの一店員が責任者に叱責されるという、ことさら特別な光景ではなかった。しかし、話をそれとなく聞いていると、その店員は雑誌の取材に対し、問われるままに、実際にその店で売れている商品を知らせたということが問題になっていたのだ。責任者いわく「そういう時は、いま一番売りたいものをいわなければならない!」。
ちなみに、件のパソコンショップは某メーカーの一次店であったため、他店よりも安く仕入れることができた。したがって、世間一般ではマイナーなマシンではあったが、利益率が高いがゆえに売りたかったようである。
そんなこともあり、今では“ショップの「売れ筋」とは、実はショップの「稼ぎ所」なのだ!”と考えるようになった。
では、そういった「売れ筋」情報は全くのデタラメかというと、そうでもないのだ。というのも、それらは、そのショップで店員が真っ先にすすめる商品なのだから、結果として「最も売れた商品」となる可能性が高いからだ。
そんなわけで、店員の「これ、今売れてますよ」という言葉もシーズンの後半にでもなれば、かなり当たっていることが多い。「嘘から出たまこと」とは、まさにこのことである。