衣・食・住にかける費用のうち、景気の悪化によって最初に削られるのが男性衣料費で、最後が女性衣料費だといわれています。2003年5月7日付『朝日新聞』朝刊13面13版【経済】によると、
「合繊大手の東レの調べによると、女性水着の国内販売は、ピークだった94年の750万枚から昨年は440万枚と約4割減った。」とのこと。
こういった状況では、新作を多く発表して活路を開くよりも、昨年来の在庫をどう減らすかが、メーカーやショップにとって最大の課題となります。
それを反映してか、[2003年 水着情報]で示したように、女性誌で取り上げられている新作水着の数は決して少なくはないものの、複数の雑誌に重複して掲載されている水着が例年になく多いのです。このことからもメーカー、ショップとも、新作水着の種類をかなり少なくしていることが想像されます。
したがって、昨年、新作水着を買われたかたは、今年新たに購入する必要はないでしょう。今年も同じ水着を着ても十分通用しますから。(^_^)V
そこで、基本的な傾向と対策については、[2002年 傾向と対策]を参照していただくとして、ここでは昨年来注目されているホルターネック・フルカップ・ブラのビキニ、いわゆる“ホルター・ビキニ”について触れておこうと思います。
まず、以前のホルターネック・フルカップ・ブラは、[2002年 傾向と対策]でも図示したように、三角ブラよりも大き目の生地で、バストをすっぽり覆いながら持ち上げるだけのものでした。つまり、大きなバストを安定させることに最大のメリットがあったのです。
【左図】は、山内順仁撮影『山田まりや写真集 PuRuRun!!!』(近代映画社、1996年10月10日発行、ISBN4-7648-1800-0、本体2,427円)からの引用。ブラが、大きなバストを寄せて上げています。また、その効果を高めるためにパッドも使われているようです。それによって、胸の谷間がきれいに出ています。ちなみに、モデルの当時公表されていたサイズは、身長153cm、B87cm、W59cm、H88cm。
言い換えれば、ホルターネック・フルカップ・ブラには、バストが小さいと、より一層貧相に見えてしまうという欠点があったわけです。
その典型が、【右図】です。これは、鯨井康雄撮影『森恵写真集 SILHOUETTE』(近代映画社、1988年6月10日発行、ISBN4-7648-1517-6、定価1,500円)からの引用。ちなみに、モデルの当時公表されていたサイズは、身長158cm、B85cm、W58cm、H87cm。ブラには、カップはあるもののパッドは使っていないようです。
それに対して、【左図】は、『JJ』2003年1月号(光文社、2003年1月1日発行、本体590円)、p.241からの引用。デザイン的には【右上図】とかなり似ていますが、ここではバストを下から持ち上げる、いわゆる“底上げパッド”が使われているようです。ちなみに、水着はハワイのロコブティックのもので、78US$。
なお、モデルは身長150cm。その他のサイズについては不明ですが、ボリュームがほとんどないバストのため、パッドだけが目立ってしまったのが残念!
ところで、今年の新作水着を見ると、一応ホルターネック・フルカップ・ブラに分類はしたものの、「3/4カップ」と呼んだほうがよさそうなカッティングが目立ちます。【左図】もその一つですが、こういったカッティングは、特に新しいものではありません。
たとえば、【右図】は、野崎公明撮影『レースクイーン and キャンギャル Best Final 31』(桃園書房、1997年8月25日発行、ISBN4-8078-3127-5/雑誌66780-92、本体1,714円)からの引用ですが、当時既に同様のカッティングが存在していたことがわかります。
また、ここではバスト全体を覆うほどの大きなパッドが使われているようですが、こういったパッドの使い方も当時からあったことがわかります。ちなみに、モデルの当時公表されていたサイズは、身長165cm、B82cm、W58cm、H81cm。
以上紹介してきたように、女性誌で“新作”として紹介されているホルターネック・フルカップ・ブラのデザインも、着こなし方も、実は以前からあったものだったのです。
では、なぜ、今注目されているのかというと、まず、優れたパッドが幾種類も開発されたことが挙げられます。それをホルターネック・フルカップ・ブラで使うことによって、あまりボリュームがないバストでも“寄せて上げる”ことができるようになったからです。これは今もっとも流行っている三角ブラにはない大きなメリットです。ただし、上でも紹介したように、「ボリュームがほとんどないバスト」には、あまり効果が望めませんが‥‥。(^_^;)
【左図】は、『Ray』2003年7月号(主婦の友社、2003年7月1日発行、本体571円)、p.121からの引用です。【左上図】のモデルよりかはバストにボリュームがありそうですが、まだまだ貧相に見えてしまいます。この程度のボリュームの場合、どうしてもバストを強調したいのなら、アンダー・ワイヤ・ブラ。特にそういった気持ちがないのなら、三角ブラのほうが、バランスが良いでしょう。ちなみに、【左図】の水着は、ニッキー(ICB) 13,000円。
次に、ホルターネック・フルカップ・ブラが注目されているもうひとつの理由は、三角ブラほど露出が多くないことです。たとえば、ビキニ・ブームの中にあっても、ビブ・トップやタンク・トップといった肌の露出を控えめにした水着が注目されてきたように、「なるべくなら、肌の露出は少ないほうが‥‥。」と考える女性が実際には多いですから。
最後になりましたが、ホルターネック・フルカップ・ブラへの注目が今年で終わるのか、それとも来年以降も続くのかは、まったく想像がつきません。唯一つ明言できるのは、「三角ブラの人気が今年で廃れてしまうようなことはない!」ということ。
したがって、今年買った水着を来年以降も着るつもりならば、迷うことなく、三角ブラのビキニを選びましょう。また、近年の傾向として、無地よりもプリントもののほうが人気があるようです。その中でもトロピカル調のハイビスカス柄ならば、10年後でも十分通用しますから、買って損はないでしょう。ま、10年後もその水着が着られるような体型であるかどうかは、ご本人の努力次第でしょうが‥‥。(^_^)
| 表紙 |
作成:2003.06.17/更新:2003.06.19